プロジェクトにおける「つながり」について
「ザ・ベロシティ」という書籍がありますが、「ベロシティ」とは、「速さ」を表わすことで、更に、「ザ・ベロシティ」では、目的、目標(ゴール)を目指しての「速さ」です。
http://yaokou.cocolog-nifty.com/yaotyan/2010/11/post-3a2e.html
本書は、エリヤフ・ゴールドラット博士によって、TOC(制約理論)を開発・発展させ、普及・啓蒙していく目的で設立されたAGIゴールドラット・インスティテュートの代表ディー・ジェイコブ氏とビジネス小説家で「ザ・ゴール」の共著者ジェフ・コックス 氏が、リーン生産方式とシックスシグマにTOCを融合させた新たなコンセプト「ベロシティ」を解説した内容です。
目的、価値、ゴールなどの方向性を見失った、加速化、効率化、品質向上、原価低減などの諸活動は意味を持たない活動です。顧客が価値を認めて、購入したくならない商品を如何に安く、迅速に提供しても活動成果があがりません。そこでも「つながり」を考える必要があります。事業の目的、価値を明確にして、その実現とつながった加速化、効率化、品質向上、原価低減などと一連の活動がつながっていることが重要です。
また、皆さんが組織に所属している場合を想定下さい。現在の組織構造は、機能別組織形態をとっています。そこでは、自部門の役割、業務内容、業務プロセス、規則、基準などはある程度、理解していますが、他の部門の同様な内容については、殆ど知識や理解がないのが実情でしょう。現実には、他の部署との業務プロセスとのつながりがあって、最終顧客に組織としての価値を提供しています。縦割り組織は、専門性、役割の責任制を明確にするには、優れていますが、変化の激しい現代では、部分最適化、ましては、全体最適化に取り組むには限界のある組織形態です。
そこで導入されたのがプロジェクト型組織を導入することでした。機能別組織や外部の専門家などを加えた、目的と期限と予算が与えられた組織が、プロジェクトです。
また、顧客に価値(商品群など)の提供単位に組織を運営する組織と機能別組織を組み合わせたマトリックス型組織も形成されるようになってきました。
いづれにしてもそこでは、「つながり」を如何に形成するか、その効率的、効果的運営を支援するITの活用しての「見える化」が当該組織に関与するステークホルダーになされることが重要なキーワードになると考えられます。